商品説明
いわゆる「絶対音感」というものを多くの人は誤解している。人間音叉のような聴覚を絶対音感と呼ぶとすれば、それは音楽の感性とはあまり関係がない。特定の周波数の音を同定できる「人間音叉」のようなもので、「固定音感」とでも呼ぶべきものだろう。
音楽を創作したり、自由に演奏して楽しむために重要なのは音階の中での音の位置関係を瞬時に理解できる「相対音感」である。
お笑いコンビ「安全漫才」のみやぞん氏は、誰に習ったわけでもないのに、耳に入ってくるメロディをすぐにピアノで弾けるということで話題になった。多くの人は「彼は絶対音感を持っている!」と驚いたが、彼の音感は絶対音感ではなく「相対音感」である。なぜなら彼は個々の音の高さを同定しているのではなく、あくまでも頭の中でメロディを聞いて、それを再現しているからである。その証拠に、彼はどんな調の曲でも、ヘ長調、またはニ短調に変換して弾いている。
また、日本語しか分からない人とドイツ語しか分からない人が意思疎通するのが大変なように、持っている「音感」が違えば、同じ音楽を聴いても違う感動の仕方をする。これが固有の「音感型」で、どの音感型が優れているということではないが、音楽の楽しみ方が違ってくるかもしれない……といった、音楽の感じ方、感動の仕方について、従来になかった分析を試みたユニークな音楽論や、バイエルの罪、電子楽器の活用といった、幼児音楽教育への提言も満載。
絶対音感よりも「相対音感」の重要性を説く書として、クラシック音楽の演奏家や音大生、絶対音感の持ち主たちからは猛反発されるなど、様々な反響を呼んだ本.
著者名
たくき よしみつ
関連URL
https://books.tanupack.com/kyoyo.html
書籍情報
製本サイズ:B6
ページ数:112
表紙加工:カラー
本文カラー:モノクロ
綴じ方:無線綴じ