商品説明
この世界には、人間が七十億人いる。
きっとその中に黛に似た人間なんてたくさんいるだろうし、
赤司の事をもっと大切にしてくれる人も、いるだろう。
もしかしたら、いつかその人に出会うかもしれない。
黛と居る時よりも楽しいと思えて、黛と居る時よりもドキドキして、
黛と居る時よりも幸せで、黛と居る時よりも、
ずっと、ずっと、ずっと、苦しくなれるような人が。
本当に? 首を振りながら、赤司はゆっくりと唇を噛みしめる。
本当にいるだろうか。そんな人が?
―― 居るわけがない。居るわけがないのだ。
分かっていた。黛千尋だから、惹かれた。
黛千尋だから、傍に居たかった。
面倒だという顔をしながらそれでも傍に置いてくれるのが嬉しかった。
許されてるみたいで安心した。
たまに甘やかすように撫でてくれる手があたたかくて好きだった。
赤司と呼ぶ声がほんの僅かに優しくなる瞬間に、いつだって胸が苦しくなった。
会いたくて会いたくて仕方がないのだ。
傍にいたくてどうしようもないのだ。
―― 本当は、今でも。
著者名
えのき
販売者
きっと嘘を吐く
関連URL
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7601015
書籍情報
製本サイズ:A5
ページ数:80
表紙加工:カラー
本文カラー:モノクロ
綴じ方:無線綴じ